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362:品川くじら 8/26 2:6
湯けむりレズリング(34)<邂逅の章>
声に気付いた環は綾香の方を見る。
「涼宮さん相手にスパーリングってところかしら。私も見物させてもらうわ。」
旧レズリング勢に対抗意識を燃やす環にとって綾香は旧勢力の象徴のようなものであり、
その目の前では仮にも敗北するわけにはいかない。
「じゃあ、しっかり見ていてよ?来栖川さん。私のテクで涼宮さんが昇天するところを。」
綾香への挑戦状の心算でハルヒへの勝利を公言してしまう環。
「ふふん。この分なら後半戦も面白い展開になりそうね。」
ヒートアップする環を横目で見ながら、場の雰囲気を楽しむハルヒ。
試合再開を前に闘志を燃やす両者の時間は流れるように過ぎていく。
「あんさんたち、準備はええか?そろそろ時間やで。」
5分のハーフタイムが過ぎた事を知らせる由宇。
心得たりとばかりにコーナーから出て特設リング中央へ向う環とハルヒ。
再び向かい合った両者は視線の火花を散らす。
「涼宮さん、覚悟はいい?今度こそいかせてあげるわ。」
「それは楽しみだわ、タマ姉。でも逆になる事もあるわよ?」
一歩も譲る心算の無い勝気がぶつかり合う。
「では後半戦始めるで!はい、スタートや!」
レフェリー猪名川由宇の号令で2人はじりじりと間合いを詰めていく。
まず環が機先を制した。
ハルヒの懐へ飛び込んで右腋の下へ左手を滑り込ませる。
これは利き手封じの策だ。
対するハルヒはどう出る?
(35)へ続く

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