新10 1-
3:品川くじら < 8/29 1:8
邪神の復活びん(2)<<夏休み子供大会>>
あろえは体を冷たい水に慣らすように時折、屈み込んでは川の水を手で体に掛けて、はしゃぎます。
川底に潜む何かは、その水音を追うようにあろえの方へ移動してくるのですが、あろえはまだ気付きません。
膝までの深さだった水深が太腿まで深くなってくると、屈み込んだあろえの体は肩あたりまで水に
浸かり始めました。
何かは水中に没したあろえの体を見て幼い女の子である事を確認し、接近するスピードを早めます。
でもまだ、あろえには何かの存在すら判らなかったの。
あろえの腰が水に浸かる深さまで進んでいくと、何かは保護色で川底の砂利と同じ色合いに擬態した
触手を伸ばして、あろえの足首まで数十cmの位置まで近付け、接近を待ちます。
その時、触手の色合いと川底に微妙なずれが生じて、あろえにも何かが動いたように見えました。
「えっ?何だろう・・・この川に大きな魚とかはいない筈だけど・・」
あろえは思わず立ち止まり、何かが動いたと思われる付近を目を凝らして見つめます。
でも川面のせせらぎが光を照り返して眩しく、よく見えなかったので、気のせいかと考え直し、再び
深い方へと足を進めました。
その時です!待ち伏せていた数本の触手が、あろえの両足と腰を捕らえて絡み付き、凄い力で水の中
へ引き込もうとしたのです!!
驚いたあろえは、訳も判らずに逃れようとして後ろへ下がろうとしましたが、触手の力には敵いません
でした。
あっという間に、あろえの体は首まで水中に引き込まれ、助けを呼ぼうと口を開いたとたん、腰から
廻って来た触手が口の中へ詰め込まれ、叫ぶことすら出来ません。
何かは、あろえの体を、首だけ水面に出した形で保持すると、下流の川中島を目指して泳ぎ始めます。
あろえは口を塞いでいる触手の生臭い匂いに、自分が得体の知れない何かに捕らえられ、知らない
何処かへ連れて行かれる恐怖に思わず失禁してしまいました。
河岸の景色が、もの凄いスピードで変わっていくのを見て、あろえは泣き出してしまったの。
(3)へ続く

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